「7つの保証 ⑤地震に強い家づくり」もあわせてご覧ください

 

 

耐震等級3の家って、どうやって地震に強くしているのか、気になりますよね。

 

一般的に最も多く利用されている壁量計算法で、耐震等級1と耐震等級3を比較しました。

警察署や消防署の耐震性と同等レベルなのが、「耐震等級3」です。

耐震等級3では、壁や床など5つのポイントで強くします。

 

 

 1．壁を強くする

耐震性を高めるためには、筋交い等の耐力壁の量の確保が最も大切です。

耐震等級1と耐震等級3では必要となる耐力壁の量が大きく違います。

 

◆必要耐力壁の量は？

※重い屋根の場合（壁量係数と必要耐力壁量は異なる数値となります）

 

【耐震等級1の場合】

各階の床面積に耐震等級1で決められた係数を乗じて、地震に対して必要となる耐力壁量が決定します。

 

【耐震等級3の場合】

耐震等級1の壁量係数よりも割り増した係数を採用し、面積比率も考慮した上で地震に対して必要となる耐力壁量が決定します。

 

◆壁のバランスは？

耐震等級1,3ともに壁の配置のバランスが良いことを確認します。

 

 

 

2．床と屋根を強くする

耐震設計上、床や屋根の強さは壁を強くするのと同様に重要です。

たとえば吹き抜けを設けた場合で、床に必要な強さが足りていない時は、地震の際に床が大きく変形する可能性があります。

 

◆床に必要な強度は？

【耐震等級1の場合】

床に必要な強度を計算して求める基準がありません。

 

【耐震等級3の場合】

床に必要な強度を計算して求め、火打ちの量や釘の本数を増やし、床を補強します。

 

 

 

3．柱と梁の接合部を強くする

壁、床、屋根の強さを発揮するためには、これらが取り付く柱、梁の接合部を金物で補強することが大切です。

 

◆梁の接合部は?

【耐震等級1の場合】

梁に取り付く床や屋根の強さに関わらず一律、短ざく金物又は羽子板ボルト等を取り付けます。

 

【耐震等級3の場合】

床や屋根の強さに応じて床、屋根の外周部の梁の接合部の必要強度を算出した上で接合部の金物を決定します。

 

◆柱の接合部は?　

耐震等級1,3ともに柱接合部の必要強度を算出して適正な強度の金物を配置します。

 

 

 

4．基礎を強くする

基礎は、建物にかかる力を地面に伝える重要な部位です。

上にのる軸組みがしっかりしていても基礎が脆弱な建物は壊れてしまいます。

 

◆基礎の補強は?

【耐震等級1の場合】

どのような設計プランでも最低限の鉄筋の太さ、間隔を守れば建築できます。

 

【耐震等級3の場合】

建物の荷物やその重さに反発する地反力、さらに部屋の大きさ、柱の位置などに応じて必要となる鉄筋の太さ、間隔を決定します。

 

 

 

5．梁を強くする

梁には、人やたくさんの家具、さらには屋根に降り積もる雪や太陽光パネルなどの荷重がかかるため、必要な強さの梁の大きさが求められます。

 

【耐震等級1の場合】

梁の大きさについては具体的な規定がありません。

 

【耐震等級3の場合】

梁1本ごとにかかる荷重（人、家具、積雪、建物自重など）を考慮した計算で梁の大きさを決定します。